2022年4月17日に行われました、かすみがうらマラソン 2022のレースレポートです。前回は前日までのプロセスをお示ししました。
コース特徴
Retrieved from: https://kasumigaura-marathon.jp/course/
最初の3kmで25mほど上ります。15km過ぎにも上りがあります。ただ、上り坂としては決して急なものではなく、いかにそこで気負わず体力を消耗しないよう上るかが鍵だと感じていました。後半は縦軸を見てもわかるように、上りも5mも上るところがなく、平坦という表現が適切であるように思われます。
気象条件
Retrieved from: https://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/view/hourly_a1.php?prec_no=40&block_no=0324&year=2022&month=04&day=17&view=p1
暑さを感じましたが、風が適度に吹いていたのが良かったです。後半は曇り空で気温は16℃までしか上がらず最高のコンディションとなりました!
Retrieved from: https://kasumigaura-marathon.jp/course/
風は東から吹いてきていましたので、前半は向かい風、後半は追い風でした。前半はコースのアップダウンもあったので、いかに良い集団を見つけられるか、そんなことを考えていました。
今回の装備(再掲)
- シューズ:adidas adizero adios Pro 2
- 上:2XU シングレット
- 下:2XU コンプレッションショーツ
- カーフ: 2XU MCSコンプレッションカーフガード
- ソックス:Functionalfit レーシングソックス
- サングラス:SWANS E-NOX EIGHT8
- キャップ:FEELCAP
- ウォッチ:GARMIN Athlete 235J
- 心拍ベルト:GARMIN
- 補給:Aminosaurus(カフェインあり・なし), Maurten(カフェインあり・なし), VESPA HYPER, Mag-on(顆粒)
前回の奈良マラソン2021と似た格好ですが、攣りの予防効果を少しでも高めようと、脹脛(カーフ)に圧着性のあるコンプレッションガードを使用しました。また、ソックスを5本指にして、足指をコントロールしやすくしました。
レース当日(会場入りする前)
朝は5時に起床、大体6時間ほど睡眠をとることができ、6時にバイキング形式の朝食をいただきました。特に朝食にはこだわりがないので、食べたいものを好きなだけ食べるようにしました。それにプラスしてMaurten 320を入れたスポーツ飲料をちびちび飲んで、6時15分にJR勝田駅に着き、そこから1時間近くかけてJR土浦駅へ向かいました。
7時25分ごろにJR土浦駅に到着し、そこから徒歩で10分ほどかけてJ:COMフィールド土浦へ向かいました。
スタートが9時45分でしたので、スタート2時間前には会場入りしたこととなります。
会場入りしてから
会場では、健康管理チェックの関所があるのかなと思ったら、事前の問診をクリアできていれば、特に会場内での検温は不要でした。他の長野とか加賀温泉郷とかPCR検査ないしは抗原検査していたようですが*1、こちらは拍子抜けするくらい簡単に「0次関門」を通過することができました。
かすみがうらマラソン 2022の目標
もちろん2時間50分切り(サブエガ)です。
ギリギリでもカッコ悪くても良いので、絶対にサブエガを達成すると心に誓っていました。ちなみに、私は2°49'59"というタイム申告でAブロックだったのですが、そのブロックの前にはSブロックがありました。
最初の5kmは渋滞や上り基調のためゆったり、後半は基本的にキロ4で押し、35kmからは多少ペースが落ちて貯金を切り崩してもよいプランとしました。
スタート
スタート時(9:45)のコンディションは14℃ほどで晴れ。若干風が吹いていましたが、暑さを黒基調のウェアだったため、日差しがあるとそれを吸収して熱が感じられました。
スタート2時間前に会場入りと時間に余裕があったのでスタート1時間ほど前に軽く1kmほど走り、流しを入れました。この大会の1ヶ月ほど前から左足首を調子が悪くそれが心配だったのですが、微妙な違和感がありました。うーんと微妙な感情を抱きつつスタート地点へ。
10マイルの選手たちを見送りつつ、念のためトイレに行きスタート15分ほど前に、Vespaを摂取し、スタート地点へ。スタート地点では、何人かTwitterで見たことあるかも!という方がおられたのですが、自分のことに集中して頭の中でどう走るかをシミュレーションして、号砲を待ちました。
☆スタートから5km [5km Lap: 20'24"]
*[ ]内は公式の5km毎のグロス(号砲と同時にスタートする時間)の記録です
5km: 20'24" (4'04"-4'06"-4'03"-3'58"-3'58")
*( )内は参考までにStrava上の1km自動ラップの記録です(距離のズレが大きいため、5kmラップと自動ラップの数値は合っていません)。1km毎に手動でラップをとれるほどの余裕はなかったです...
*5km: 20'24" としているのは公式のGrossでの通過タイムです(以下同様)
全体を通して、奈良マラソンの時と同じ轍を踏まないことを頭では思い浮かべていました。最初の3kmは上り坂であることがわかっていたため、4'05"あたりで進めていきたいと思っていました。4'05"という計算は奈良マラソンでの激坂の経験を踏まえてです。奈良マラソンの時よりも斜度が大きくはないので、4'05"でちょうどくらいかなと思って走ってみると、心拍が170くらいで丁度いい感じでした。後ろから抜かれながら落ち着いて走ろうと言い聞かせていました。なお、走り始めたら左足首の痛みは感じられなくなっていました。これがレースマジックというやつでしょうか。
☆5kmから10km [20'00"]
10km: 40'24" (3'59"-3'59"-3'57"-3'57"-4'02")
5kmから10kmは起伏がさほど激しくないため、目標となる1km4分のペースがどんなペースかを確かめる区間としていました。今まで積んできたペース走と同じ感じで楽に走ることができていました。
5kmを過ぎると進路が東となりましたが、ここでは完全な向かい風でした。2〜3mくらいの風でしょうか。そこで誰か良い感じのペースの方はいないかと探していましたが、この時点ではそういった方には出会えず、時折、風避けとなる方を見つけながらも単独走に近い形で走っていました。
☆10kmから15km [19'37"]
15km: 1°00'01" (3'55"-3'56"-3'53"-3'55"-3'50")
相変わらず向かい風の中でしたが、10kmを過ぎたところで15人くらいの丁度良い集団を見つけたので、少し力を使ってペースを上げて前につき、風避けにさせていただくことにしました。私の知り合いでかすみがうらマラソン優勝経験がおありの方がいるのですが、その方のアドバイスを求めたところ、「前半はちょうど良いペースのランナーにくっついていくのがおすすめ」とのことでした。
結果的にこのアドバイスのおかげで前半のアップダウンを集団を使って楽させてもらい、風の影響を軽減させ体力を温存することができました。そして後半バテずに走ることができました。Iさん、本当にありがとうございました✨
☆15kmから20km [19'48"]
20km: 1°19'49" (3'59"-3'54"-3'59"-3'56"-3'54")
おそらくこの集団がサブエガを狙う集団だったのでしょう。ピタっと、良いペースで走ることができ、ただ前についていくだけ。この時私は思考停止人間になりました。この区間はほとんど記憶に残っておらず、エネルギージェルを危うく飲み忘れるくらいでした。
☆20kmから25km [19'52"]
中間地点: 1°24'11" (参考:奈良マラソン2021でのハーフ通過は1°24'33")
25km: 1°39'41" (4'01"-3'51"-3'59"-3'56"-3'59")
中間地点を過ぎたところで奈良マラソンと比べ、圧倒的な余裕がありました。もう上り坂らしい上り坂がなかったことが、心理的にポジティブな影響をもたらしました。相変わらず15人くらいの集団で良いペースで走ることができていましたが、何人か脱落しかけていました。この辺りから暑くなるかなと思いましたが、幸い曇っていたため、暑さはそこまで感じられなかったです。
☆25kmから30km [19'49"]
30km: 1°59'30" (3'55"-3'58"-3'59"-3'52"-3'59")
アップダウンの区間は終わり、残りは平坦なコース。キロ4ペースを維持すること、前の集団についていくことが頭にありましたが、一つ不安もありました。それは足攣りです。前回の奈良マラソンでは27kmで左の脹脛にヒクッとした感覚が襲ってきました。それ以前にも30km手前で攣ってしまった経験があったため、内心ビクビクしていました。 ですが、ひとまず27kmをクリア、このあたりでサブエガを狙う集団はバラバラになりましたが、ペースが落ちることはなく、快調に巡行していました。
☆30kmから35km [19'57"]
35km: 2°19'27" (3'57"-3'58"-4'00"-3'59"-3'57")
ずっと平坦ということで力の使い方については余計なことを考えなくてすみました。30kmを過ぎると、足攣りあるいはペースが落ちてきたランナーを拾う場面が出てきて、私としては元気が出ました。また前を良い感じで走られる方が現れたので、前後を交代交代する形で、ひっぱり合うようにしました。ここまでくると、任せるというよりは運命共同体みたいな感じで。ただその方は35kmくらいでいなくなってしまわれましたが...35kmに近づいても、良い感じで脚は動いてくれていました。そしてこの頃には足攣りのことも忘れ、32kmからはあと40分で終わるとカウントダウンをしながら、絶対にサブエガ達成するんだ!とそんなことを考え自分を鼓舞していました。
☆35kmから40km [20'00"]
40km: 2°39'27" (3'57"-4'00"-4'03"-3'56"-3'56")
奈良マラソンの時はなんとか35kmまでは下りを利用して粘りましたが、そこからも断続的に上り坂が続き、下り坂で回復することができず、ペースダウンしてしまいました。しかし今回はそんなことはありませんでした。
動画、ありがとうございます!https://youtu.be/VgU1kI_L81w
前回奈良マラソンでは、35km地点で余裕のなさから腕が振れなくなっていましたが、今回はその失敗を活かして意識的に腕を振っていました。脚が重くなってきていましたが、心拍数は175ほどでキツすぎず良い感じでした。良い感じで粘って、ランナーを拾い、勢いを止めない、そんな時間が続きました。
そんな中で38〜39kmあたりだったかと思うのですが、Twitterのフォロワーさんであるわんこ師匠こと、べいやん(Twitter ID@karakuchiwanko)さんに出会いました。奈良マラソン以来の再会です。おぉ!ということで、一言二言交わしましたが、特に元気が出ました。あと3,4kmほどで、かなりキツくペースが落ちかけていましたが、何とか粘ろうとエンジンを掛け直すことができました。その節は大変ありがとうございました✨
☆40kmからゴール [8'41"]
ゴール: 2°48'08" (4'00"-3'54"-3'48"/kmペース)
前回の奈良マラソンではラストの2.195km、上り坂ということもあり、10分以上もかかってしまう大失速でしたが、今回はラストなんとか脚が残っていました。最後の力を振り絞り、逆にペースを上げることができました。40kmの時点で脚攣りの前兆もないため、サブエガはこの時点で確信。1秒でも絞り出そうと、根性で。
最後は理論ではなく根性です。渾身の走りができたと思っています!そのまま押し切ってゴールしました。
結果
#かすみがうらマラソン2022
— Yuki. (@marathon_yuki) 2022年4月17日
2°48’08” (PB)
4分記録更新で、遂にサブエガ仕留めました😊サブ3達成から1年4ヶ月、悲願です!
今日は足攣り対策が功を奏して一度も攣らずイーブンで押せましたし、ラストは気合で上げ切りました😇応援してくださった皆さん本当にありがとうございました。更に精進します✨ pic.twitter.com/pQXl2rkGBG
前半:1時間24分11秒
後半:1時間23分57秒 最後まで粘って終盤の失速を減らしたどころか、ラストはペースを上げることに成功しました!
ネットタイムは2°47'57"と48分台を切ることができました。
奈良マラソンからは4分32秒短縮です。嬉しさのあまり、ガッツポーズが出まくりました!あまり感情を爆発させるタイプではないのですが、やってきたことが報われて涙が出そうになったのと同時にホッとしました😌
ただ、惜しまれるのは、そのガッツポーズの写真が今回オールスポーツさんにはなかったことです。笑 このサブエガ達成の瞬間は一生記憶に刻まれることになると思いますので、なくても大丈夫でしょうが。
途中すれ違ったべいやんさんはツイートで私に言及してくださっていました。足攣りに襲われていたとのことですが、サブ245(2時間45分切り)ランナーであられるので、まだまだべいやんさんの方が格上。その領域に足を踏み入れたいですね。
37まではほぼ予定通りでしたが、足攣り撃沈😂サブエガ行けると思ったけどマラソンは難しいですね〜
— べいやん@5/22カーター黒部🙂 (@karakuchiwanko) 2022年4月17日
ラストでは、Yuki.さんに華麗に交わされました😆サブエガPBおめでとうございます🎉 pic.twitter.com/4Y6emTtUxa
アフターでは、べいやんさんとべいやんさんのお知り合いの方と3人でお肉を食べに行きました*2。 ゴチになりました!
なお今回は、仕事に追われていたこともあり、観光らしい観光は全くしておらずガチでマラソンをするためだけに茨城に行った形となりました。多分こういうことは今後ないと思います。笑 今度は10月末の水戸あたりでじっくり観光を兼ねてマラソン大会に出場したいです!
全体の内省
- 展開が見事にハマったレースとなった
- 脚攣り対策が功を奏した
- 計画的な練習ができなかったので、理詰めで改善をしていきたい
- 今回がまぐれで終わるか、再現性を持たせられるかは次回以降の取り組みにかかっている
今回は気象条件に恵まれた大会だったように思います。風はそこまで強くなく、4月の大会にしては暑すぎず、後半は曇っていたので、気温上昇も抑えられていました。また、前半で体力を消耗しないよう、前を引っ張ることなく、集団の力を借りられたことは大きく記録更新に寄与したと思っています。やはり公道を使った大型マラソンですと、実力が接近したランナーがどこかしらにはいますね。また、調子に乗らず思考停止させることも時には良いものなんだという気づきがありました。
足攣り対策については、今回様々な策を講じました。様々に行なったため、どれが一番効果的だったかはわからないのですが、少なくとも今回の条件では、足攣りの予兆すら起こらなかったため、再現できるように、今回の体験を記憶にしっかり残したいと思います。
改善点としては、今回2月のマラソン大会中止でモチベーションが下がってしまったことやまん延防止等重点措置のために、人が多い時間帯・場所を避けて練習を行なったために、断片的に練習が線ではなく、点になってしまった期間があったことが挙げられます。次回については、『ダニエルズのランニング・フォーミュラ』で紹介されている、2Qプログラムを援用して、じっくりとトレーニングに取り組みたいと考えています。
そして、今回の成功体験がまぐれで終わらないために、継続的に記録を残すことで、より良い本番・練習につなげられるよう、引き続き精進していきたいと思っています!
これからの目標
今回、タイトルに「第2楽章終結」と記述しました。クラシック音楽愛好家の方であればなんとなくわかると思われるのですが、これは交響曲をイメージしています。
クラシック音楽における交響曲はほとんどが4楽章構成となっています*3。その中で第1楽章は、サブ3達成を区切りとしていました。2019年5月から本格的に練習を始め、2020年12月の赤穂義士マラソンで1年7ヶ月で達成しました。
第2楽章は、サブエガ達成を区切りとして、サブ3から1年4ヶ月後となる、2022年4月に達成することができました。
では第3楽章というと、サブ245を区切りとしています。交響曲では、第3楽章はテンポ良く、短くあっさり終わることが多いので、今年(2022年)、遅くても今年度中の達成を目標としています!それに向けて挑戦の過程を紡いでいきたいと考えています。なお、現時点では書きませんが第4楽章はハードルを高くしており、3年計画くらいで考えています。体力の衰えが来る前に、『未完成』にならないように、精進していきたいです。
最後に、今回の大会も本当に楽しかったです。新年度で業務が多い最中で、無理をしてでも参加して良かったです。また大会関係者の皆さまには、コロナウイルスの感染状況が不安定ながら、大会を開催していただいたことに対して感謝しています!そして、SNS等で応援してくださった皆さんありがとうございました♪
今後とも目標達成へのプロセスを綴っていきますので、どうぞよろしくお願いいたします♪